原田 俊隆 院長(新城整形外科)のインタビュー

新城整形外科 原田 俊隆 院長

新城整形外科 原田 俊隆 院長 TOSHITAKA HARADA

順天堂大学医学部卒業後、同大学附属病院の整形外科で研修。その後、伊豆長岡の附属病院、国立伊東温泉病院(現:伊東市民病院)及び敷地内の重度障害者センター、関東労災病院の勤務を経験。川崎区にある宮川病院での勤務を経て2001年、新城整形外科を開院。(JR南武線武蔵新城駅より徒歩5分)。 

地元に愛されて50年、地域医療に貢献するクリニックを継承

もともと当院は父が1969年に整形外科医として開院したのが始まりです。日常的に診療風景は目にしていましたが、実は最初建築家を目指していたんです。最終的に父の気持ちを汲むために医学部に進学したんですが、始めてみると医学の世界も興味深く、夢中で勉強するようになりました。
順天堂大学卒業後は、附属病院の整形外科で2年間の研修。その後、伊豆長岡の附属病院で2年、国立伊東温泉病院(現:伊東市民病院)と敷地内にあった重度障害者センターを兼任で2年、関東労災病院で臨床経験を積みました。川崎区にある宮川病院での勤務を経て2001年、父の医院を継承し、新城整形外科として開院し今に至ります。(JR南武線武蔵新城駅より徒歩5分)。専門に学んだのは父と同じ整形外科なんですが、これは興味があった分野がたまたま同じだっただけなんですよ。勤務医時代は救急外来を担当することもあり、内科疾患など専門外の診療も学びました。診療医として地域の方の診療を行う今では救急医療での経験がとても役に立っていると感じますね。

整形外科とリハビリ、体を動かす治療を中心に行う

当院の診療科目は整形外科、リハビリテーション科です。インフルエンザのみですが、予約制で予防接種も実施しています。建物は内装・外装とも私が引き継ぐタイミングで全面改装し、リニューアルオープンしました。もちろんバリアフリーにも対応しています。診察室の奥はリハビリ室に繋がっているのですが、これは診察からリハビリにすぐに移動してもらえるよう患者さんの導線を考えたためです。入り口→待合室→診察室→リハビリ室→受付、と診察や治療の流れに沿って院内をレイアウトしてあるため、余計な時間がかからないことも特徴です。患者さんも迷わずにすみますからね。
近隣には昔からお住まいの方も多く、患者さんは周囲にお住まいの方がほとんどです。午前中はご高齢の方が、午後から夜にかけては近隣の方やお勤め帰りの方が多くいらっしゃいます。背中や肩、腰など体の痛みで受診される方が多く、加齢による症状も多いですね。
治療はお薬も使いますが、あくまでも薬は補助的なもの。基本的に行うのは筋力強化を目的とした体操指導と機器を使ったリハビリです。リハビリ治療はウォーターベッドや牽引といった物理治療を中心に行います。リハビリ機器による治療はクリニック内でなければできませんが、そのほかの治療は自宅でもできるメニューを中心に教えています。
どうしても通えなくなってきた患者さんには昼休みの時間などを活用して、在宅での診療を可能な範囲で対応しています。通えなくなったからおしまい、ではなくご縁を大切に診療をしていきたいですね。在宅医療では内科系の診療が中心なことが多いため、整形外科の診療と同時に風邪や血圧コントロールなど簡易的な内科診療を行うこともあります。内科の病状が安定していてお薬を出しているだけであれば、当院で定期的に検査をしながら治療を代行することもありますよ。その方が患者さんの手間も省けますからね。症状によっては症状を改善するため適宜、必要の有無を見極めて手術をおすすめすることもあります。手術後は経過観察やリハビリにも対応しており、当院で患者さんの健康管理を行っています。

体操指導は患者さん一人一人が続けやすい方法で実施

リハビリでは体や筋を動かしやすくするためご本人が体を動かすことが一番大切です。薬や、通って治療を受けるだけでは良くならないんです。そのために重視しているのが筋力強化です。ただ、筋力強化…といっても難しいものではありませんし、プールやジムに行く必要はありません。教えている運動は、椅子やペットボトル、タオル、棒などお家にあるものを使って行える簡単な方法ばかりです。中には座って行えるものもありますよ。身近な物を使った方がやりやすいですし、長く続けることができるんです。体を元の調子に戻す、治すことは私たちの力だけでできることじゃないですからね。体操は体を慣らしながら少しずつというのが当院の治療方針です。
症状や状態に合わせて、必要な筋肉を強化する運動を指導するんですが、やりやすい目標を定期的に立ててあげると皆さん頑張ってくれます。お会いする度に肩が上がるようになっているなど目に見えて効果が出る方もいらっしゃいますよ。
やり方をプリントした紙を一緒に見ながら教えていますが、教えただけでは治療へのモチベーションも上がりません。定期的な診察の際にどれくらい行っているかお聞きして、できた人にはしっかりほめる、出来ていない方には優しく励ましてやる気を持続するように工夫しています。患者さんのお話を聞き「前よりも増えてますね。」「時間がちょっと短いですね。」など声掛けをしていくと少しずつ頑張ってくれますね。たまに教えた体操と違ってきていることもありますので、軌道修正も合わせて行います。どうしてもできない場合には注射やリハビリ機器を併用したり、途中で続かなくなった方には、また受診された機会を見つけて何度も気長にアドバイスをしています。1人1人ができるだけ続けられることを大切にしたいですね。

骨粗鬆症の発見と改善で骨折や寝たきりの予防

最近は骨粗鬆症が新聞やテレビで取り上げられることも増えましたが、骨がつぶれていつのまにか骨折してしまい、背骨が曲がる、ちょっとしたことで骨折しやすくなる…といったことが代表的な症状です。昔、ご高齢の方は背中が曲がっている方がいらっしゃいましたが、それも骨粗鬆症が原因です。現在、日本で介護が必要になる原因の第2位は骨粗しょう症による骨折で、誰でもかかる可能性がある病気であるといえます。骨が弱ってくる状態なので痛みはないのですが、転んだ際に骨折しやすくなります。怪我の場所によってはそのまま寝たきりになってしまう可能性もあるんですよ。
当院ではレントゲンによる診断や骨密度の検査を行っています。早期発見し投薬による治療と転ばないように足腰の筋力強化を行うことで、寝たきりや怪我のリスクをかなり減らすことができます。ほかにも転倒予防の指導や怪我をしない関節の動かし方、体を健康に保つストレッチといった指導を患者さんの体調に合わせて行います。

これから受診される患者さんへ

体が痛いと来院される患者さんの中には症状がかなり進んでから受診される方も結構いらっしゃいます。皆さん我慢されることも多い様なんですが、我慢しても良くならないことがほとんどです。
例えば、捻挫一つにしても、最初の固定処置が悪ければ、靭帯が緩んだままになってしまい、怪我がしやすくなってしまいます。捻挫をした箇所が足首であれば足をひねって怪我をし易くなってしまうんです。
また、痛みの背景には大きな病気や怪我が隠れている可能性もあるんです。捻挫だと思い自分で処置をしていた方が痛みがひかず、受診してみたら骨が折れていた、というケースもあります。痛みに関しては自己判断をせずにおかしいな、と感じたら受診して欲しいですね。
整形外科に限りませんが、痛みや体が動かしずらい、体調がおかしい…など何か変だなと思ったら早めの受診が大切です。骨粗しょう症のように痛みがないまま進行する病気もあります。早期発見し治療することで長く健康的な生活を送ることも可能です。当院でそのお手伝いができればと考えておりますので、お気軽にご相談ください。

※上記記事は2018年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

新城整形外科 原田 俊隆 院長

新城整形外科原田 俊隆 院長 TOSHITAKA HARADA

新城整形外科 原田 俊隆 院長 TOSHITAKA HARADA

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味: 映画、読書
  • 好きな本・作家: 北方 謙三(三国志など)、古い神話時代の書物、歴史書
  • 好きな映画: 黒部の太陽
  • 好きな音楽・好きなアーティスト: BGMやK—POPS、FM川崎
  • 好きな場所: 川崎市

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