池上 英 院長（中島こどもと家族のクリニック)のインタビュー

人と関わっていく仕事を目指していく中で

人と関わることをしたい、と思っていました。教師を考えていたこともありましたが、人に関わるという意味で精神科に興味を持ち、医学部に進みました。しかし、高校生の頃に思い描いていた精神科は、どちらかというと心理学に近いイメージで、実際に臨床の世界の精神科とは異なっていたので、様々な科を見た中で小児科を選びました。この選択は、教師になることを考えていたことも関係したのかもしれません。

2022年に『中島医院』の院長となり、2024年の春、現在の『中島こどもと家族のクリニック』と名称を変更しました。前任の中島先生も小児科のドクターだったのですが、名称のこともあり、地域の方には「内科」と思われている方が少なくなかったようなのです。専門医として小児の診療に力を入れてゆきたい。同時に、忙しい家族の方も気軽に相談できるクリニックでありたい。その想いを込め、クリニック名の変更にいたりました。

「こどもと家族のクリニック」として、これからも

お子さんは風邪や胃腸炎などの急性疾患が多いですが、小児のことに関しては、とりあえず何でもご相談ください。そして、引き続きもちろん大人の方も拝見させていただきます。以前のこどもクリニックで診療をしていた時は、例えば調子の悪そうなお母さんがいらしても、遠慮されて別の内科に行かれるというケースが少なからずあり、お母さんの負担を考えると申し訳なく思っておりました。こちらには、前の中島先生の頃から通われている大人の方もいらっしゃいます。「こどもクリニック」ではなく、「こどもと家族のクリニック」とすることで、あらゆる方々に便利にご利用いただけるクリニックを目指してまいります。

専門的な知識を提供し、安心して療養していただけるように

お薬や治療を提供していくのと並行して、私たちの仕事は、専門的な知識を一般の方々に提供していくことが重要と考えています。病院勤務時代は、一般のクリニックから患者さんが紹介されてくる側の立場でした。入院を余儀なくされたお子さんに共通するのは、食べられなくなり、飲めなくなっていることが多いということでした。特に脱水は腸管の血流が落ちてしまうことでさらに腸管の動きが悪くなり、それがまた「食べられない」という悪循環につながっていきます。それを避けるには、病初期から食べて飲んで減らさないようにする、ということが重要で、これは分かりやすいのでお子さんにお声がけしています。あとは、「目処」です。風邪の熱であれば、4日くらいの内に治まるのが一般的で、それを過ぎたら受診してください、といったことをお伝えするようにしています。どうなったら受診するべきか、そこがご家族が最も知りたいところだと思うんですね。その目安をお伝えし、できる限り安心して療養いただけるよう配慮しています。

医療の窓口としての役割も

小児科は、子どもの総合診療科であり、かかりつけ医とは、みなさんが最初に接する医療の専門家です。ですから、私の持てる専門的知識を総動員して症状が改善するよう全力で取り組むとともに、しかるべき道筋をつけて差し上げられるよう、医療の窓口としての役割もしっかりと果たしていきたいと考えています。

病院勤務時代、私の専門は小児の循環器でした。お子さんの心臓病は生まれつきのことが多く、クリニックで見かけることは滅多にありませんが、心臓に関するちょっとした不安などあれば、相談に乗ることができると自負しています。

地域のみなさんへメッセージ

出来る限り納得してお帰りいただきたい、という気持ちがあり、結果、お待たせしてしまうことがあるのは常々心苦しく思っています。そのお時間を頂戴するに値する、わかりやすい説明を心がけていますので、ご理解いただけたら幸いに思います。

ワクチンや乳幼児健康診断も承っておりますし、育児相談や児童、生徒の生活面での相談等にも柔軟に対応しております。どうぞ構えることなく、気軽に受診してください。