亀谷内科クリニック 亀谷 宜隆 副院長 YOSHITAKA KAMEGAYA
慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院内科(消化器)医員に。独立行政法人国立病院機構 東京医療センター消化器科医員、米国マサチューセッツ総合病院GI Unit博士研究員を経て、2006年、亀谷内科クリニック副院長に就任、現在に至る(JR南武線向河原より徒歩10分)。
慶應義塾大学医学部卒業後、同大学病院内科(消化器)医員に。独立行政法人国立病院機構 東京医療センター消化器科医員、米国マサチューセッツ総合病院GI Unit博士研究員を経て、2006年、亀谷内科クリニック副院長に就任、現在に至る(JR南武線向河原より徒歩10分)。
私が医療の道を目指したのは、やはり医師をしていた父の影響が大きいと思います。父は大学病院などでずっと働いてきており、医師というよりもどちらかというと研究者としての面も大きかったですね。小さい頃は実験室に連れて行ってもらい、細胞の培養を見せてもらうことや、周りの研究者の方に遊んでもらった覚えがあります。双眼顕微鏡などもあったので、子ども心にもとても興味を魅かれましたね。そうした環境ですから、自然とサイエンスに興味を持ちました。また、小学校の頃は親が医師ということで必然的に保険委員になり、遠足などの際には薬箱片手に診療にあたっていました(笑)。周囲からは将来はお医者さんになってくれたらいいね、など言われていましたね。父親から受けた影響と周りとの関わりが、その後医療に道に進むベースになったんだなと思います。
大学は父と同様に慶應義塾大学に進学。私も研究者の道に進みました。大学卒業後は医局に入局し、昼間は内科の臨床医を務めながら夜間は研究をおこなうという生活を続けました。その後、関連病院での勤務を経てアメリカ、ボストンのマサチューセッツ総合病院/ハーバード大学に留学。肝臓を専門に診察、研究を続けました。2006年、亀谷内科クリニックでの診療を開始、現在副院長を務めています(JR南武線向河原より徒歩10分)。
当院は父が都立病院を退職後、1996年に開院しました。内科一般のプライマリケアから消化器、肝臓関連疾患、循環器関連疾患、神経関連疾患、呼吸器、アレルギー関連疾患、生活習慣病まで幅広く診療をしています。ほかにもスポーツ健康医として運動療法、産業医として環境整備、企業検診やアドバイスをおこない、働く人の環境整備のお手伝いもしています。プライマリケアのベースとして運動は大切なことの一つですから、こうした活動も一般診療に生きています。
また、プライマリケアは最初の診立てが大切ですから、検査設備はさまざまな物を導入しています。レントゲンや検査機器のほか、検査している状態がリアルタイムに動画で確認できる高解像のバリウム検査を導入しているほか、頸動脈のエコー検査、眼底の検査をおこなう眼底カメラも導入しています。
さまざまな連携先があるので、内視鏡検査やCT、MRIなどの詳細な検査も対応しています。診療の結果、自分の専門分野である、消化器や肝臓の疾病では治療を進めますし、専門分野外であっても各方面の専門医ネットワークがありますので、その分野が得意なドクターに的確なご紹介をします。診療の幅広さと関連医療機関との連携が当院の強みですね。
当院ではエコー装置を用いて頸動脈の検査をおこなうとともに、眼底カメラも導入して眼底の動脈検査もおこなっています。専門機器を導入して眼底の検査をおこなっている内科クリニックはあまりありませんが、眼底は体の中の動脈を外側から直接観察できる唯一の場所です。動脈硬化や高血圧の状態を直接見て確認できます。目の病気を見つけるのではなく、動脈から体の病気を把握するためにおこなっています。もちろん目の異常を発見した時は、知人の眼科医にすぐご紹介しています。
そして、頸動脈は体の表面から一番近い動脈です。距離が近いため0.1ミリ単位で細かく検査できるエコーを使うことができ、動脈の壁の厚さまで計測することが可能になります。こうして、眼底と頸動脈2か所の血管を検査することで、かなり的確に動脈硬化の状態を知ることができます。通常、血液検査では動脈硬化になっているのかどうかという判定しかできませんが、動脈を診ることで病気がどこまで進んでいるかをリアルタイムに知ることが可能になり、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクをより正確にコントロールすることができるのです。
学生時代、私は所属していた公衆衛生学研究会の活動で、無医村への巡回診療をおこなったことがあり、必要に迫られて眼底検査を覚えたのですが、その技術が今に生きています。また、公衆衛生学研究会の関連で統計学や臨床研究に関しては今でもつながりがあります。新しい薬や医療の研究など、次の世代の医療に関連する臨床研究にも参加しています。専門医になる前に公衆衛生という視点で医療に取り組んだことは今の医療のベースとなり、診療に役立っていると感じています。
私が専門として学んできたのは、肝臓と消化器の分野。専門医の強みはどうしてその病気が起きてくるか仕組みがわかることです。医療にはどの分野においても、診療の指標になる診療ガイドラインがあります。しかし、病気になる仕組みが分からないと、ガイドラインに沿うだけの診察と治療、という流れになってしまいます。原理を知っていると診療にも生かせますし、患者さんにより深いご説明も可能になります。例えば、臓器の機能の説明一つにしても、臓器の構造から病気の原因を電顕写真の細胞レベルから患者さんにご説明できるのが専門医の持つ利点ですね。
また、診断がつけられない様な病気でも、ある程度の見当をつけることもできます。医学ではまだまだ分かっていないことの方が多いですから、肝臓の病気だけ見ても診断のつかないものはたくさんあるんです。原理を知らなければ、ガイドラインに書かれていない症状は病気じゃないことになってしまいます。原因の検討をつけることで経過観察の判断や必要に応じてまた、肝臓のこの分野はこのドクターといった最先端の医療をおこなっている方にご紹介することもできます。
私が診療の際に大切にしているのは、受診された患者さんを待合い室まで迎えに行くことです。お迎えに行くのも患者さんとの診療時間の一つです。患者さんをお迎えすることで、様子を詳しく拝見することができますし、歩き方やお呼びした時の反応、立ちあがり方、顔色や表情、臭いや体温などいろいろな情報が診断の役に立ちます。
しかし、それ以上に大切なのは患者さんへの礼儀です。当院までご足労いただいた患者さんへご挨拶し、お迎えするのは当たり前のこと。来ていただいたのだから、会って、ご挨拶して、部屋に招き入れるのは当然のことじゃないかと思っています。
欧米の診療風景では来院した患者さんを迎えに行き、握手して「今日はどうですか」というのが当然の流れになっています。その方が自然ですし、打ち解けて話も聞きやすいですね。特に体調不良で緊張している患者さんは手を触れるだけでリラックスしますし、安心すると思います。そのためにいつも患者さんをこちらからお迎えに行くようにしているんです。それに、私は診察室の椅子に腰かけて「●●さーん」と呼び入れる方法は実は抵抗がありまして、院長向けの肘掛のついた椅子は、あまり好きじゃないんです(笑)。
プライマリケアをおこなう医師がやることは検査や薬を出すことではなく、まずは患者さんのお話をよくお聞きすること、そして必要であれば次の医師に繋げることです。多くの患者さんは打ち解けてから、初めて大切なことを話してくださいます。最初から打ち解けていれば核心に触れるのも早いです。心を開いていただき、穏やかに話していただくためにも、患者さんとのちょっとした交流を大切にしていきたいと思います。
当院にはいろいろな患者さんがお見えになります。土曜日は近隣にお勤めのビジネスマンの方や当院の専門分野のことを調べて遠方から来る方やご紹介の方が、平日は近くにお住まいの方が多いですね。日常のちょっとした体調不良への診療から世界最先端の治療まで、さまざまな医療をご提供できると思います。親しみやすい診療と、必要に応じて専門性の高い最先端の医療も提供できる、これが当院の目指す診療です。体のことで気になることがあれば、病気からどうか分からない段階で結構ですから、まずは一声かけていただきたいですね。例えて言えば中丸子エリアにある「村の健康相談所」といったところでしょうか(笑)。気軽な気持ちで相談に来ていただきたいと思います。
ちょっと気分がすぐれないなどの症状だったのが、お話している内に重大な病気が見つかることがよくあります。便秘だと思っていたのが大腸がんだった…、最近ふらふらすると感じていたら糖尿病になっていた…などいろいろなパターンがあります。重大な病気でも早い段階で発見することで改善や治癒につなげられます。当院では治療の方法もお薬だけでなく、運動療法や食事療法、音楽療法などさまざまな引き出しがあります。「いつもと同じお薬」といった治療にならないように、いずれお薬や病気から卒業できるように、生活習慣から改善の糸口を作ってあげられたら…と思っています。
※上記記事は2018年6月に取材したものです。
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