佐藤 元気 院長(ヴィータ動物病院)のインタビュー

ヴィータ動物病院 佐藤 元気 院長

ヴィータ動物病院 佐藤 元気 院長 GENKI SATO

日本大学卒業後、東京や埼玉の動物病院で研鑽を積む。2014年、ヴィータ動物病院の院長に就任。(JR南武線武蔵中原駅より徒歩10分)。

人と動物との幸せな時間のために

私はもともと小さいころからずっと動物が好きでしたが、獣医師を目指すきっかけは小学生から一緒に過ごしてきた愛犬ハチとの生活でした。ハチが高齢になるにつれて地元の動物病院にお世話になる機会が増えたのですが、その際の動物病院の方々のサポートが大変心強く感じられ、「自分でも何かできることはないのだろうか」という想いが今の自分の基本になっていると思います。また、いろいろな方とお会いすることも好きでしたので、仕事の中で多くの動物やそのご家族と直接お話しできる仕事はとても魅力的だなと感じました。
大学卒業後は東京や埼玉にある動物病院や、ヴィータ動物病院の前院長のもとで勉強をさせていただきました。それぞれの病院の良さはありましたが、共通して学んだことはご家族の方々とのコミュニケーションの大切さです。体調を崩した動物の治療はもちろんですが、体調以外にも日々の生活の中でお困りのことが多くあって、それもご家族によって様々なのだということを知りました。どのようなことにお困りで、どのような解決法がそのご家族にとって望ましいのかということを一緒に考えることが動物病院の本当の仕事だと感じました。動物と過ごす時間はかけがえのないものです。その幸せな時間をためにお手伝いをしたいという思いを胸に日々頑張っています。

動物のプロフェッショナルとして

当院ではわんちゃん・ねこちゃんを主に診療しており、「不妊手術を含めた子犬・子猫のケア」「わんにゃんドック(健康診断)」「高齢期生活のケア」といった日常的な相談から、「皮膚科」「歯科」「循環器」「眼科」など様々な分野の診療を行っております。
院内にはレントゲン検査や超音波検査、血液検査など、日々の診療に必要な様々な機器がそろっていますが、CTやMRIなど詳細な検査が必要な場合には、外部の提携している医療機関と協力して検査・治療を進めることもできます。この地域は周辺環境に恵まれていて、近隣に大きい二次診療センターがいくつもありますので、安心して受診頂けると思います。
時にはウサギさんや小鳥さんなども診察することもありますが、より専門性が高い治療が必要な場合には、その治療を得意とする先生をご紹介させて頂くこともあります。それはわんちゃん、ねこちゃんでも同様です。
大切にしているのは“この子にとって、そのご家族にとって一番よい方法は何か”ということです。当院での様々な治療はもちろんですが、ご紹介も視野に入れて「自分の家族だったらどうするだろう」とご家族と一緒によりよい方法を考える姿勢を大切にしています。
また、病気のことだけでなく「吠えてしまって困ってる」、「車酔いが可哀そうだ」、「うんちを食べちゃう…」、「いい旅行先はないかな」、「急用が入ってしまってお世話ができない」など、どんなことでもいつでもご相談下さい。どうしたらいいか分からない時に動物のプロフェッショナルとして対応するのが私たち動物病院です。
同じ建物にはドッグランやホテルを備えたトリミング施設も入っております。会社こそ異なりますが、お互いに協力して皆様のかけがえのない日々のお役に立てるよう頑張っております。

目に見える問題から解決する「本当の理由」

近年、当院が特に力を入れているのがデンタルケアです。
今ではお家の中で一緒に生活しているわんちゃん・ねこちゃんが多いので、お口のトラブルに関心が高いご家族も増えてきたように感じます。また、インターネットなどで情報も手に入りやすくなったことにより、デンタルケアを目的として当院へご来院頂く方も増えています。
お口のトラブルは日々の生活の中で気づきやすい部分です。具体的には、わんちゃんの場合は「食べる勢いの変化」や「口臭の強さ」を感じてお連れ頂く機会が多く、ねこちゃんの場合は「ヨダレや歯ぎしりの音」、「食欲不振」、「口臭の強さ」をきっかけにご相談頂くことが多いように思います。処置の際には、基本的に麻酔が必要になります。人間のように口を開けて我慢してもらうことは動物には困難だからです。しかし、ご家族のほとんどは、麻酔を使用することに対し抵抗があります。わからないことも多く、不安に思うことは当然だと思います。当院では、まずご家族の方々の不安を少しでも取り除けるようにしっかりとお話させて頂いております。そして、処置を受ける動物が「麻酔にしっかりと対応できる全身状態にあるか」を事前に検査を行い、麻酔リスクを最小限にできるように確認しています。
お口の処置は通常日帰りで行うことができ、お迎えの時間には、わんちゃん・ねこちゃんの元気な姿を見て安心された後、劇的に口臭が改善されたことに大変喜んで頂けることが多いです。その後も、処置の後から「食事をバクバクよく食べるようになった」、「よく遊ぶようになった」という嬉しいお声も多く頂きます。バクバクと勢いよく食べる姿は見ていて嬉しいですね。
また、お口のトラブル以外にも、皮膚や、目、排泄物の変化は日常の中でも変化が感じやすいです。もちろん、それらのトラブルにもしっかりと対応できるように当院では力を入れております。
日々の生活の中ではいろいろなトラブルが起こりますが、本当に怖いのは変化に気付きにくい、目に見えない部分のトラブルです。具体的には心臓や、肝臓、腎臓などの大切な臓器です。それらのトラブルでは体調に目立った変化は起こりにくく、目に見えて異常が出てきている時には病状が進行していることが少なくありません。その変化に気付くには、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などの特殊な検査が必要になりますので、全身的な検査を定期的に行うことは大切だと言えます。ですが、私が思う本当に一番大切なことは別にあります。それは、「信頼できるホームドクターを持つこと」です。大切な家族の具合が悪くなってから、病院を慌てて探して、よく知らない先生にお願いするという状況ですと、その不安は2倍にも3倍にもなるでしょう。
日頃から、目に見える変化に注目して小さな相談をすることで、わんちゃん・ねこちゃんの健康状態も維持しやすく、病院のスタッフにも小さな変化に気付いてもらいやすくなると思います。また、何度か通院することで先生との相性などもわかってきます。ぜひ安心できる病院、相談しやすい先生やスタッフを探してみてください。日頃のわんちゃん・ねこちゃんの様子はもちろん、ご家族のことも知っている先生やスタッフがいるということはいざという時にも大変心強いものだと思います。

心の安らぎを考える

病院に来院されるわんちゃん・ねこちゃん、そしてご家族も多くは不安で緊張されています。その不安を和らげ、リラックスできる環境を作ることをスタッフ一同大切にしています。
そのために私たちが大切にしていることは、ご家族の方といろいろなお話をすることです。「新しくできたカフェに行って来た」、「今度里帰りに一緒に連れて帰る」なんて話や「お子さんが産まれた」「なぜだか旦那さんだけわんちゃんに噛まれちゃう(汗)」などなど。
実はこうした雑談が診察の中で日々活かされています。例えば眼科の治療一つにしても、通常であれば1日3回点眼してくださいなどのお話をするような場面でも、共働きのご家庭や育児で忙しいなどの生活スタイルを知っていれば、1日3回は大変なので、1日2回の薬を処方しようなどと考えるわけです。同じ病気でも、ご家族の環境やわんちゃん・ねこちゃんの性格などに合わせてよりよい提案をしていくのが僕たちのできることだと思っています。
それに、何より楽しいですよね!ただ診察をして帰るよりも「この間の旅行はどうでした?」なんて話ができたり、「今夜のお祭りで娘が演奏するんです」と伺い、診察終わりに見に行ってみれば、「外で会うと普通の人ね」なんて言われたりします。(笑)本当にその通りで、私たち動物病院のスタッフもただの普通の人です。それでも病院で会うと緊張しちゃいますよね。ところが、そんな日頃の会話をしているだけでもその緊張が少しづつ和らぐのを感じることができるんです。そうすると、不思議とわんちゃん・ねこちゃんも少し安心できたりして、ご家族もスタッフもいいことづくめです。
病院スタッフの姿勢は常にミーティングなどで改善し、必要となれば病院の構造も変えて、訪れる動物とご家族にとってより安心できる場所にしていきたいと考えています。
ねこちゃんは一般的に他の動物や人間と触れ合うことを好まない子も多い傾向がありますが、現状では待合室がわんちゃんとねこちゃんで共通のため、お待ちいただく際にどうしても近くに他の動物が寄ってしまうタイミングがあるという問題があります。今後の予定として、2019年に今の場所から高津方面に車で2,3分の場所に移転するのですが、そのタイミングでわんちゃんとねこちゃんの待合室や診察スペースを分けて、よりストレスが少ない環境を作って行く予定です。

動物病院なんて怖くない

私達、動物病院のスタッフは大の動物好きの集まりです。病気の治療や予防に限らず、しつけのことやちょっとしたトラブルについてはもちろん、例えば、「これから動物を飼いたいのだけど、我が家の生活環境的にお勧めの動物や種類はある?」といった質問だって大歓迎で、しっかりと相談にのれます。
一般的には病院はあまり訪れる気にはならない場所だと思います。それは、おそらく「病院=病気の時に行く場所」で、あまりいい話を聞かない怖い場所というイメージが強いからだと思うのです。ですが、動物病院は本当は動物好きと話をできる場所であり、動物の詳しい話も聞ける、ふらっと立ち寄れる便利な場所なんです。当院の患者さんも「体重を測りに来たよ~」とか、病院をお散歩コースに入れているワンちゃんもいて、中には入らずじっと院内を覗いている子もいます。(笑)それに気が付いたスタッフが出て行って一通り遊ぶと満足して帰って行っちゃうんです。日頃の診察では、検査をしたり注射をしたりと、どうしても嫌われることも多いですので、喜んで病院にきてくれると僕たちもすごく嬉しいです。
動物病院は日常的には、全体的な健康チェックがパパっとできて、安心が得られる場所です。時には深刻な病状を聞かなくてはならない辛い場面もありますが、そんな時にはいくつもの選択肢の中からより良い選択肢を選ぶ助けになれる場所でもあります。
何度も繰り返しになってしまうのですが、動物病院に慣れておくのは、わんちゃん・ねこちゃんにとっても、ご家族にとってもすごくいいことです。爪切りや肛門腺絞りでも、ちょっとした相談事でも立ち寄れる場所なんだと思って頂いた方がいいと思います。ぜひ、お近くの通いやすい範囲で、相談しやすいホームドクターを見つけることをお勧めします。

※上記記事は2018年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

ヴィータ動物病院 佐藤 元気 院長

ヴィータ動物病院佐藤 元気 院長 GENKI SATO

ヴィータ動物病院 佐藤 元気 院長 GENKI SATO

  • 出身地: 東京都
  • 趣味: 読書
  • 好きな本: 椎名誠さん、伊坂幸太郎さん
  • 好きな映画: 特に動物が出てくる楽しいもの
  • 好きな言葉・座右の銘: 感謝を忘れない
  • 好きな音楽: いろいろ聞きます
  • 好きな場所: 水族館、動物園(子どもと一緒に)

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