石井 隼 院長 & 池田 眞三 獣医師(池田動物病院)のインタビュー

池田動物病院 石井 隼 院長 & 池田 眞三 獣医師

池田動物病院 石井 隼 院長 & 池田 眞三 獣医師 ISHII SHUN & SHINZO IKEDA

1986年に池田眞三前院長により開設。2019年4月1日より石井隼が院長職に就任(東急東横線「武蔵小杉駅」より徒歩10分、JR横須賀線・湘南新宿ライン「武蔵小杉駅」より徒歩8分、JR南武線「向河原駅」より徒歩5分)。

2019年4月より新たな体制へ

【石井 隼 院長】
祖父が医師だったことがきっかけで、当初から医療の道を考えていました。その医療の中で生物学を好んでいたことから、この道を選んだということになります。当時はまだ漠然としたものでしたけれど、獣医学は臨床(治療)に進むこともできるし、研究の道に進むこともできる。その選択肢の多様さも学生の私には魅力的に映ったんですね。

【池田 眞三 獣医師】
生まれた時から側に犬や猫がいましたし、彼らの存在は私にとって欠かすことのできないものでした。ですから、この道へ進むことはもう決まっていたようなものなのです。
『池田動物病院』は1986年に開院いたしました。私自身は以前から東洋医学的なものに興味を持って取り組んできましたが、そこにより力を注ぐという意味も兼ねて、このほど(2019年4月)、 石井隼先生に院長職を譲る形となりました。現代の医学は若い先生方に思い切ってやっていただく。私はもう古い人間ですから、古いものをどんどんやろうと考えたわけです(笑)。

あらゆる人を「大事にする」ことをモットーとして

【石井 隼 院長】
当院では、「大事にする」ということを大切なコンセプトとして持っています。飼い主さんや動物たちを大事にするのは当然のことですが、そこに自分を含む周囲のあらゆる人を大切にするということがとても大事なことと思うのです。人は、心に余裕があることで他者に対して優しくなれるという面があります。根底に自分を満たしていく気持ちがあることが、すべてのことに対して優しさを持って接することができるようになるのではないでしょうか。
私がこの病院に来た時に気づいたことが、池田先生のその姿勢でした。先生の他者に対する心配りであり寛容さが、周囲のスタッフを生き生きとさせ、それが飼い主さんや動物たちに対しても良い影響をもたらしていることに気づいたのです。院長職をこの度拝命しましたが、「大事にする」という信念を、戻るべき立ち位置として大切にしていきたいと考えています。

動物が本来持っている治癒力を発揮させる東洋医学

【池田 眞三 獣医師】
そもそも、動物も人も、自らを正常な状態へと戻す力を有しています。例えば、どこか切ってしまったとしましょう。縫うことはしますけれど、それがくっついて元どおりになるのは細胞の力です。つまり、治癒力こそが病気を治してくれるんですね。医療とは、その治癒力を十分に発揮できない状態であるのを助けるものです。その手助けするための引き出しとして、西洋医学と東洋医学の区別なく、多くのものを我々は持たなければならないのです。
一昔前に比べ、動物も長生きになってきました。そうなれば抵抗力も落ちますし、自ずと病気というものが表面に出てきます。その状態を少しでも改善させ、また維持させることにおいて、東洋医学的なアプローチは非常に大きな潜在的能力を秘めているのです。

【石井 隼 院長】
例えば椎間板ヘルニアの疑いがある場合には、適切な検査をしてグレード評価をおこない、手術が適当と判断したケースはそのように飼い主さんにお伝えすることになります。しかし、飼い主さんの中には、手術そのものを敬遠される方がおられます。その際に効果を発揮するのが、鍼灸治療をはじめとした東洋医学のアプローチです。これまで、一般的に手術でなくては歩ける段階までいけないであろうケースにおいて、鍼治療で回復するケースを多く見てきました。エビデンス(医学的根拠)に基づいた治療が第一の選択肢となりますが、飼い主さんのご要望を最大限汲み取り、科の垣根を意識することなく最適な治療を提案していきたいと考えています。

このほど、私も鍼灸のコースを受講し、資格を取得させていただきました。まだまだ未熟ではありますが、池田先生の師事を仰ぎ、この分野においてもより磨きをかけていきたいと考えています。

エキゾチックアニマルの診察も

分を越える症例はどうしてもありますので、その場合にはすみやかに専門の医療機関へとご紹介させていただきます。そしてもちろん、私たちで可能な範囲は責任を持って診させていただきます。
これまで当院では犬猫を中心に診療をおこなってきましたが、今後はウサギやハリネズミ、フクロモモンガ等のエキゾチックアニマルについても拝見させていただく方針です。私は昨年、一旦この病院を離れ、エキゾチックアニマルの診療を専門におこなっている病院で研鑽を積んでまいりました。そもそも大学を卒業して最初に勤務した病院もそちらの方面に特色があったことも関係しているのですが、改めて学びの機会を求めたということになります。
昨今は犬猫に限らず、様々な動物を飼われている方も多くなっています。少しでもその方々のお役に立てるよう、これからも精進してまいります。

これから受診される飼い主さんへ

【池田 眞三 獣医師】
人に関しても同様ですが、鍼灸はまだまだ一般的なものになっているとは言えません。ですが、実際に扱ってみますと、疾患によっては非常に効果のあるものであり、東洋医学は多くの可能性を秘めたものであることを実感しています。もちろん西洋医学も素晴らしいものですが、1つの選択肢として比肩するものが存在することを多くの方々に知っていただけたらと考えています。

【石井 隼 院長】
治療方法というものは様々です。仮にがんの末期だとしても、やれることはゼロではありません。痛みを緩和することも可能ですし、カテーテルを用いて栄養を摂る方法もあります。我々は動物を診ることが仕事ですが、同時に飼い主さんの心をケアしていく責任も負っています。どんな状況にあっても飼い主さんと手を取り合い、ご満足いただける治療を模索してまいります。飼い主さんと二人三脚で歩んでいく中で、「ここに来て、本当によかった」と思っていただけるような医療を提供していけたらと考えています。

※上記記事は2019年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

池田動物病院 石井 隼 院長 & 池田 眞三 獣医師

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  • 出身地: [石井・池田]東京都
  • 趣味: [石井]釣り [池田]ゴルフ、絵画
  • 好きな本・作家: [石井]スティーブンキング [池田]神渡良平
  • 好きな映画: [石井]『ビューティフル・マインド』 [池田]『ウエスト・サイド・ストーリー』/「往年のミュージカル映画」
  • 好きな言葉・座右の銘: [石井]百折不撓 [池田]「遅いということはない」
  • 好きな音楽・アーティスト: Mr.Children [池田]ジャズ/ビル・エヴァンス
  • 好きな場所: [石井]黒島(沖縄県) [池田]御岳山(奥多摩 )

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