原 浩二 院長(はらクリニック)のインタビュー

はらクリニック 原 浩二 院長

はらクリニック 原 浩二 院長 KOJI HARA

横浜市立大学医学部卒業。同大学医学部大学院卒業。関東労災病院、横浜市大附属病院勤務を経て、米国衛生研究所(NIH)に留学。帰国後、関東労災病院消化器内科医長等を歴任。2021年に『はらクリニック』を開院。

研究者として蓄積してきた知見を生かし、地域の医療に貢献

父が歯科医師でしたから、医療が身の回りにある環境に育ったことが大きいのだと思います。そしてさらに、「身体全部を診たい」と思い、医学の道を志すようになりました。

大学卒業後、すぐさま大学院へと進みました。学生だった頃から、「肝臓の研究をする」ということを決めていたのです。肝臓はウイルスもありますし、腫瘍も自己免疫疾患も、さらに薬剤性の疾患もあります。あらゆる種類の病気があることにやりがいを感じていたんですね。中でも特に興味を持ったのが、B型肝炎、C型肝炎で有名なウイルス性疾患でした。肝炎から癌になるという負の連鎖を自らの手で止めたいと願い、アメリカにも留学しました。現地で籍を置いていたのが、米国衛生研究所(NIH)というところ。最近は新型コロナウイルスでずいぶん名が出ていましたから、ご存知の方も多いかもしれませんね。そちらの肝臓グループに5年ほど身を置き、日夜、研究に没頭していました。日本に帰国後、研究から臨床の現場に身を投じたのは、勉強してきた最新のデータを持って患者さんにフィードバックしたいと考えてのことでした。以来、外来診療でウイルス性疾患の治療をしつつ、並行して入院患者さんを対象に癌の治療を主に手がけてきました。なお、現在も週に1回、横浜市立大学附属市民総合医療センターで肺癌の治療を担当しています。そこでの治療が必要な方については、誰かに任せるのではなく、私自身が担当できますので、患者さんにも安心していただけるのではないでしょうか。

父が歯科医師だと申しましたが、私は小さい頃、診療所の待合室で育てられたようなものなのです(笑)。父を通して、地域医療というものを理解していたつもりでしたし、「いつか僕も……」と願っていたことがようやく実現したと思っています

街のクリニックとして、あらゆる病気をカバーしていく

消化器、殊に肝臓に関しては、大学病院等に比肩する治療を提供できると考えています。そうした意味では、敷居の低い専門医が地域にいると思っていただきたいですね。もちろん、こちらは地域のクリニックですから、患者さんが訪れる理由は消化器だけとは限りません。高脂血症や高血圧などの生活習慣病もありますし、風邪などの患者さんもいらっしゃいます。私で充分診れるものについては責任を持って拝見していきますし、そうでない場合にもしっかりと道しるべをつけて差し上げられたらと考えています。

病気についての理解を深めていただけるように

検査の結果はこうでこうで、この病気はどんなものか、ということを理解していただくことが大切です。病院に行って検査を受けたけども、その結果をよくご存知でないという方が少なくありません。どういう検査で、結果から何が考えられ、それを受けてどうしていくか、ということを道筋をつけてお伝えするようにしています。例えば、「脂肪肝」と言われただけでは具体的なイメージもわかず、印象にも残らないかもしれません。画像なり、数値なりを持って具体的に説明して差し上げることが重要です。患者さんの心に訴えかけることができれば、「健康に気をつけよう」というモチベーションにつながると考えています。

症状を見極め、適切な検査と治療を提供していく

おなかには全部で7つの臓器があります。それぞれに有効な検査方法は違っていますから、症状からどれをピックアップし、検査なり治療を提案していくことが私たちには求められます。仮にみぞおちが痛いとしましょう。必ずしもその症状は胃十二指腸とは限らず、膵臓から生じている可能性もあります。胃であれば胃カメラが、膵臓であれば血液検査が有効ですが、両方の検査をおこなうのは患者さんにとって負担となってしまいます。その見極めは大変難しいのですが、そこにこそ我々の力量が問われる部分でもあるのです。

ただし、検査をしてみなければわからないことがあるのも事実です。その場合、理由をご説明し、検査を提案させていただくことになります。医療者として後悔はしたくありませんし、結果として患者さんに不利益をもたらすようなことは厳として避けなければならないと考えています。想定した病気ではなかったとしても、その結果を踏まえ、リスクと照らし合わせて次の検査をいつ受けたらいいかの目安をお伝えすることも可能になります。時に身体的・金銭的な負担をお願いすることになるやもしれませんが、重大な病気を見逃さないように努めることも、私たちに課せられた使命と考えています。

これから受診される患者さんへ

肝臓は「沈黙の臓器」と言われます。その肝臓に限らず、病気が一定以上進行しないと症状が出ない病気は珍しくないのです。ですから、まずは健診なり人間ドックを受けていただき、その結果を見て専門の医療機関を受診していただきたいと思います。今回の新型コロナウイルスの流行により、「病院に行きたくない」と思ってしまうのは、無理からぬことかもしれません。当クリニックは隔離室を設け、発熱や咳の症状のある患者さんとそのほかの患者さんとを、物理的にも時間的にも完全に離す対策をとっています。この対策で少しでも不安が解消されればと思っていますし、なんらかの不安を抱えている方は躊躇なくご相談ください。消化器の専門家として、また内科全般の専門医として、身体のあらゆるご相談を承っています。これからのことを一緒に考えていきましょう。

 

※上記記事は2021年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

はらクリニック 原 浩二 院長

はらクリニック原 浩二 院長 KOJI HARA

はらクリニック 原 浩二 院長 KOJI HARA

  • 出身地: 東京都
  • 趣味: MLB/アメリカンフットボール鑑賞
  • 好きな本: 『Sports Illustrated』『TIME』
  • 好きな映画 : 『The Pursuit of Happyness(幸せのちから)』『The Blind Side(しあわせの隠れ場所)』
  • 座右の銘: 「Impossible Is Nothing(努力すれば、できないことは何もない)」
  • 好きなアーティスト: MISIA
  • 好きな場所: フェンウェイ・パーク、オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ

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