後藤 秀寛 院長(もえぎの動物病院)のインタビュー

もえぎの動物病院 後藤 秀寛 院長

もえぎの動物病院 後藤 秀寛 院長 HIDEHIRO GOTO

大学卒業後、勤務医として幅広い症例に携わり、スキルを磨く。地域に根差した動物病院を継承する形で、横浜市青葉区に開業。

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

小さい頃はリスやハムスター、モルモット、インコ、熱帯魚など、様々な小動物を飼ったり、ご近所のワンちゃんネコちゃんを飼われているお宅によく遊びに行ったりしていました。動物全般が好きだったので、小学生のときは動物園の飼育員に憧れていましたが、実際に動物医療に関わる仕事に就きたいと考えるようになったのは、それより少し後のことになります。私が高校生のとき、父が病を患いました。もちろん、ショックはショックでしたが、それと同時に「病気って何だろう?」ということを考えるようになりました。それまでは重い病気になったという人は周りにはいませんでしたし、病気というものについて深く考えるようなことはなかったんです。
父の病を機に色々と自分なりに調べたり、父が回復していく様子を見ているうちに、医療というものに携わりたいと考えるようになっていきました。その医療への思いと、小さい頃の動物と関わっていくという夢が交差したところにあるのが獣医師という職業でした。高校3年生のときのことでした。
大学を卒業後は長野と埼玉の動物病院で勤務医として研鑽を積みました。独立したいという思いはずっとありましたが、実際に行動を起こしたのは比較的最近のことで、去年(2011年)の夏になります。これは一般のお医者さんも同様だと思いますが、独立するということには2つの選択肢があります。1つには、まったく新しい病院をつくるということ。そしてもう1つが事業承継という形で、沢山の飼い主様に支持されてきた病院を引き継ぐことで、そのまま病院を存続させることができます。
ご存知の方も多いとは思いますが、当院はもともと『はら動物病院』としてこの地にあり、原節郎先生が診療をおこなっておられました。私が事業承継で独立したいと考えたときに最初に紹介していただいた病院がこちらで、場所はもちろん、原先生のお人柄と診療への姿勢に惹かれ、この話をお受けすることとなったんです。
去年の終わりまで原先生と一緒に診療をおこない、年明けよりスタッフの方々も引き継ぐ形で私が新たにこの病院の院長になりました。2012年5月より『もえぎの動物病院』と医院の名称を変更し、これまでの長年に渡り地域の皆様の貢献してこられた原先生の意思を引き継ぎ、私にできる限りの思いのこもった診療をおこなっていきたいと考えています。

診療に際して心掛けていることを教えてください。

動物たちは何がつらく、どうして欲しいのか。一緒に暮らしているご家族の方が一番理解されていることと思います。当院では、病気のプロとして、ご家族の方の思いを汲み取り、ともに診療を進めていきたいと考えています。飼い主様、ならびに動物たちを、自分の大切な家族だと思い、日々の診療に取り組んでいます。自分のかけがえのない家族であればどうするのか、どのように接するのかを、第一に心掛けています。

『もえぎの動物病院』の診療方針をご説明ください。

当院は、飼い主様に最も近い、調子を崩した患者さん(わんちゃん・ねこちゃん等)を初めに診る役目を担う一次診療病院という位置づけになります。ここで出来るものはもちろん当院で治療をおこないますが、より高度な医療が必要とされる場合は、大学病院などの専門医療機関と連携をとり、常に最新の動物医療を皆様にご提供できるよう努めております。私が卒業した日大や、麻布大学も比較的近くにあり、また、私も会員となっている『DVMsどうぶつ医療センター横浜』など、高度医療機関が数多くあります。昨今は動物の医療は極めて広く、また深くなってきています。そうした状況で、一人の獣医師が全ての分野で高いレベルの医療を提供していくのは現実的ではありません。「出来ること、出来ないこと」「分かること、分からないこと」と包み隠さず飼い主様へ明確にお伝えすることで、本当に患者さんのためになる診療をおこなっていきたいと考えています。

ペットを飼っている方へのアドバイスをお願い致します。

当院では定期的な健康診断をお薦めしています。基本的には一年に一回、7歳以上のワンちゃんネコちゃんの場合、できれば半年に1回程度の健康診断をお受けすることをお薦めします。年をとってきているワンちゃんネコちゃんの場合、ついつい「年だからもう少し様子を見ようか」と対応が遅れがちになります。その少しの躊躇が悪い結果をもたらすことが往々にしてあるんです。
つい先日のことですが、お腹に大きな腫瘍があり、それが破裂して命が危ぶまれたワンちゃんがいました。幸い、緊急手術をして助けることができましたが、「あと半日遅かったら・・・」というところでした。少しでも気になることがあればお気軽に相談していただきたいです。

最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。

当院は自宅兼用の病院になっていますので、夜もお預かりしている子の様子を見ることができますし、在宅の場合は時間外の診療にも対応できます。大切な動物たちに何か少しでも疑問や不安があれば、いつでも頼りにしていただけたらと思っています。『もえぎの動物病院』の“もえぎの”は、地域の名前からいただきました。もえぎ(萌え木)には「若葉の芽吹き始めた木」という意味があります。今の私はこの地域に根付き始めたまだまだ若い芽にすぎません。あえて“野”ではなく、ひらがなで“の”と表記したことには、私の戒めの意味もありました。萌え木のように成長を続け、ワンちゃんやネコちゃんや飼い主様に最大限の貢献が出来るよう、全力を尽くしていきたいと考えています。

※上記記事は2012.11に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

もえぎの動物病院 後藤 秀寛 院長

もえぎの動物病院後藤 秀寛 院長 HIDEHIRO GOTO

もえぎの動物病院 後藤 秀寛 院長 HIDEHIRO GOTO

  • 出身地: 埼玉県
  • 趣味・特技: 映画・演劇鑑賞、スポーツジム、読書
  • 好きな本・愛読書: 獣医学関連書籍/松下幸之助氏著書、渡邉美樹氏著書
  • 好きな映画: ペイ・フォワード、ラストサムライ
  • 好きな言葉・座右の銘: 夢あるところに行動あり。行動は習慣を作り、習慣は人格を作り、人格は運命を作る
  • 好きな音楽・アーティスト: B’z、尾崎豊
  • 好きな場所・観光地: 屋久島

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