妹尾 孝浩 院長(武蔵小杉せのお内科クリニック)のインタビュー

武蔵小杉せのお内科クリニック 妹尾 孝浩 院長

武蔵小杉せのお内科クリニック 妹尾 孝浩 院長 TAKAHIRO SENOO

杏林大学医学部卒業。同大学医学部付属病院で初期臨床研修後、糖尿病内科に在籍。都立老人医療センター(消化器内科)、亀田総合病院(消化器内科)勤務を経て、横須賀市立うわまち病院の消化器内科立ち上げに携わる。以降、安房地域医療センター(消化器内科)勤務を経て、2024年6月に『武蔵小杉せのお内科クリニック』を開院(東急線「武蔵小杉駅」南口より徒歩2分、JR南武線「武蔵小杉駅」より徒歩5分、JR横須賀線「武蔵小杉駅」より徒歩8分)。

医師であった祖父、そして父に導かれて

医師であった祖父は、私が高校2年生の時に病で亡くなりました。その時に初めて、祖父がどういう人であったかを知ったのです。祖父は公益財団法人結核予防会の会長を務めていた人物でした。正直なところ、高校生だった私にすべてが理解できていたわけではなかったのですが、医師として、人々の生活を影で支える仕事があると感じた時に、同じ道に進もうと考えるようになったのです。

杏林大学卒業後は当時の第三内科に籍を置き、糖尿病を専門としました。今後、糖尿病は増えてくることが予測されていましたし、まず生活習慣病を勉強したいと考えたのです。第三内科は、糖尿病内科に加え、消化器内科が合わさっていた形でしたから、自然と消化器にも興味を覚えるようになり、当時、内視鏡で最も症例数の多かった亀田総合病院に入職しました。そこでは内視鏡を始め、消化器全般の診療に深く携わることができました。その後、私の地元である横須賀市立うわまち病院の消化器内科の立ち上げに携わり、湘南病院で一般内科を広く診させていただいたのち、現在も非常勤として勤務を継続している館山にある安房地域医療センターで診療をおこなってきました。そして20246月、『武蔵小杉せのお内科クリニック』を開院する運びとなりました。実は武蔵小杉は、それまでテレビでしか見たことのない街だったのです。が、物件を見に初めて訪れた時に、「とてもきれいな街」と思ったんですね。こういうところで診療をしたいと思い、ほぼ即決で開院する運びとなったのです。

専門医である前に、あらゆるものを診る医師であるというスタンスを大切に

開院からまださほど日数は経ってないのですが、専門である消化器や糖尿病はもちろんのこと、急な発熱等で来院される方も多く、最近では親御さんに連れられてお子さんの患者さんも少しずつ増えてきています。

私は専門医である前に、医師であるというスタンスを大切にしたいと考えています。「専門外だから」と断るのではなく、何らかの答えを見つけて差し上げたいのです。当然のことですが、これ以上は専門の先生の診察や治療が必要と判断すれば、しかるべき医療施設へとすみやかにご紹介はいたします。しかし、それ以前にしかるべき道をお示しできるよう、1人の医師として全力を尽くしていきたいと考えています。

苦痛に配慮した内視鏡検査を実施

専門である消化器については、上下内視鏡による癌の早期発見に注力していきたいと考えています。大腸の内視鏡については、「クリーン・コロン(clean colon)」という概念があります。現在、日本の癌死の中では、大腸がんが女性では最も多く、男性も3番目に多くなっています。小さなポリープの段階からこれを取り除くことで、大腸がんで亡くなる方は大幅に減少すると期待しています。

内視鏡検査では、患者さんの苦痛に配慮することが大切です。もちろん当院でも鎮静剤を扱っていますが、中にはお薬を望まない方もいらっしゃいます。私は横須賀で勤務をしていた頃に、浸水法と呼ばれる手法を習得しました。腸管に水をためることで、苦痛なくカメラを入れることができるものです。亀田総合病院でも非常に多くの症例を経験してきましたし、その知見を生かした苦痛の少ない内視鏡検査を実施していきます。

また当院では、スポーツ内科を取り扱っています。父の横須賀の診療所を手伝っている時に、中高の長距離の選手を多く拝見する機会がありました。彼らや彼女らに最も多いのが、貧血です。足の裏で赤血球が壊れてしまい、貧血となるものですが、その治療に携わってきた経験を生かしていきたいと考えています。それから、よく見られる疾患としてスポーツ喘息があります。運動をすると息苦しくなる症状が現れるものですが、喘息を疑い、吸入器を用いたところ、症状が楽になり、その後、成績がぐっと上がっていったお子さんがおられました。貧血もスポーツ喘息も、ケアをおこなえばスポーツをするのに支障が出ることはありません。原因がわからず苦しんでおられる方も少なくないと思われますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

患者さんとしっかり向き合い、無理なく治療を続けていただけるように

糖尿病治療の場合、その人を理解することが大切です。単に数字を追うだけでしたら容易なのでしょうけども、1回の食事の量であったり、好みであったり、生活習慣は人それぞれです。糖尿病の治療において最も避けたいのは、治療が中途で終わることです。それを避けるべく、その人を理解できるように努め、無理なく納得して取り組んでいただける治療を模索していくことが大切なのです。

糖尿病に限ったことではなく、治療を考えるにあたって、その人の生活に踏み込んでいかなければならないこともありますので、そのぶん、お話に時間がかかることはあります。今後、お待ちいただく時間が増えることもあるとは思いますが、ご理解いただけましたら幸いです。

地域のみなさんへメッセージ

この辺りは大学病院を始め、様々なクリニックもあり、医療資源に恵まれた地域と言えるでしょう。その一方で多くのクリニックが専門科を掲げておられることもあり、患者さんは「専門以外は行っちゃダメなの?」と困惑されることもあるのではないでしょうか。私はこれまで、地域にクリニックが数軒しかないような、医療資源に限りのある場所での診療にも携わってきました。そこでは、専門以外の病気を診ることが当たり前のように求められたのです。もちろん、自分の限界は理解しているつもりですし、しかるべき医療機関へと紹介させていただくことはございます。しかし、その前にしっかりと筋道をつけて差し上げられる、かかりつけ医でありたいと考えています。お身体のことで何かお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

※上記記事は2024年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

武蔵小杉せのお内科クリニック 妹尾 孝浩 院長

武蔵小杉せのお内科クリニック妹尾 孝浩 院長 TAKAHIRO SENOO

武蔵小杉せのお内科クリニック 妹尾 孝浩 院長 TAKAHIRO SENOO

  • 出身: 神奈川県
  • 趣味・特技: 料理、ランニング、囲碁
  • 好きな本: 葬送のフリーレン・ヒカルの碁
  • 好きな映画: フィールドオブドリームス・鬼滅の刃 無限列車時獄篇
  • 好きな音楽・アーティスト: クラシック/X JAPAN
  • 好きな場所: 武蔵小杉、館山、調布、横須賀、横浜
  • 座右の銘: 失敗は成功のもと

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