武蔵クリニック 小谷 富男 院長 TOMIO KOTANI
北海道大学医学部を卒業後、北大病院、市立札幌病院などで勤務。主に病理分野でキャリアを積む。2012年より神奈川県内の医療法人や介護老人保健施設に勤務。2021年4月、「武蔵クリニック」を開院。
北海道大学医学部を卒業後、北大病院、市立札幌病院などで勤務。主に病理分野でキャリアを積む。2012年より神奈川県内の医療法人や介護老人保健施設に勤務。2021年4月、「武蔵クリニック」を開院。
大学を卒業後、医師として歩み始めてから、「どうしてこういう病気になるんだろう?」という疑問を抱くようになりました。特に印象深かったのは、ある白血病の患者さんに出会ったことですね。まだ新婚3カ月くらいの女性の方で、なぜか異常な貧血が起きてしまう。有効な治療法はないかと考えましたが、考えたからといって答えが見つかるわけでもない。そうやって、血液分野のほうに関心を持つようになっていきました。血液の病気の場合、治癒は難しく、寛解と再発を繰り返すことが多いです。そうしたことと向き合いながら、自分なりに研究を重ねてきました。
北海道や鳥取、宮崎の大学病院では、主に病理を担当していました。検体を精査し、比較検討しながら、病状に最も適した薬を導き出す仕事です。病理のテクニックを学ぶとともに、関心もあったので実験や研究に打ち込みましたね。2008年、神奈川に移ってからも、病院等に勤務しながら地道に自身の研究分野を突き詰めてきました。
そうした取り組みに一区切りつけて、武蔵新城駅近くに「武蔵クリニック」をオープンしたのが2021年の春のことです。ここからは自分の責任で、一人でやっていこうと思い立ちました。
「武蔵クリニック」は在宅医療をメインにしています。たとえば夜中、急に体調が悪くなったとき、実際にはそこまでの症状ではなかったとしても、患者さんは「命を落としてしまうんじゃないか」という強迫観念に襲われます。そこで病院に電話をかけても取り合ってもらえないかもしれません。そういうとき、訪問診療サービスがあれば安心ですよね。患者さんにとってのある種の逃げ道というか、頼れる窓口として存在していたいとの思いから、24時間365日対応の訪問診療を主としたクリニックを始めたんです。
また、常日頃から患者さんの状態、家族の心情などを理解しておくことも大切ですし、医療の方向性を決めておくことで最終的なコストも抑えられます。その点も、定期的に訪問診療を行うメリットだと考えています。
当院には、訪問診療に対応するドクターが8名在籍しています。対象地域は、当院から16km圏内のエリア。在宅医療を希望される方にはまずご連絡いただき、当院の在宅医療コンシェルジュ(専門員)がお伺いします。患者さんの状況やご家族のご要望を聞き取ったうえでサービスプランを作成いたします。医療から生活まで、様々なことをトータルにサポートする体制を整え、必要に応じてケアマネージャーや介護サービスなどとも連携しながら、サービスの充実を図ります。
退院後の医療ケアが必要な方、在宅での医療機器が必要な方、入院や通院が困難な方、ターミナルケアを必要とされている方や、認知症(疑い含む)や寝たきりの方、あるいはご自宅で緊急の医療体制を整備されたい方にご利用いただけたらと思います。負担の少ない、皆さまが幸せを感じられる在宅医療生活を実現することで、患者さんとご家族のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を向上させる手助けをしたいと思っています。24時間365日、自己研鑽をしつつ、皆さまを見守ることが私たちの役目です。
※上記記事は2021年6月に取材したものです。
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